アルバータの山岳地帯の地ビール・メーカーでは、半ば公然の材料として氷河水を使用しています。山から湧き出たミネラル豊富な美しい冷水に、世界各地から集めたホップと麦芽を組み合わせれば、極上ビールのできあがりです。
その場に合ったぴったりのビールを選ぶのは難しいかもしれません。たとえば、ジャスパー国立公園のマーモットでスキーを楽しんだ後にはジャスパー・ザ・ベア・エール。ノーケイ山でヴィア・フェラータに挑戦した後は、バンフのレベレンド・ランドル・スタウト。風光明媚なグラッシー湖へのハイキングの後なら、キャンモアのグランピー・ベア・ハニー・ウィートはいかがでしょう。
ジャスパーのジャスパー・ブルーイング・カンパニー、バンフのバンフ・アベニュー・ブルーイング・コー、キャンモアのグリズリー・ポー・ブルワリーは、ユニークな地ビールとおいしい食事をゆっくりと味わえる醸造所です。
友達3人で始めた醸造所
あるとき、ジャスパー出身の仲良し3人組が、生まれ故郷に足りないのは地ビールの醸造所だと思い至りました。そこで彼らは困難を乗り越え、カナダの国立公園に初めての醸造所を作りました。自分たちの行動について本人達はどのくらい理解していたのでしょうか。苦労しつつも、若い情熱に突き動かされて完成したジャスパー・ブルーイング・カンパニーは、今ではメインストリートでアフター・スキーの人気を独占するパブとなりました。
季節のビールでは皆の意見が一致しても、食事の好みはさまざまです。ここのメニューには、周辺のパブとは一線を画する、新鮮で上質な食材を使った料理が揃っています。色々なメニューを仲間とシェアするのがおすすめです。
バンフ・アベニューの醸造所
私は、バンフ・アベニュー・ブルーイング・コーのオールド・スクール・プーティンに目がありません。これを食べるためだけに、わざわざカルガリーから90分かけて車を走らせて来るくらいです。ケベック・チーズのカードとグレービーソースのたっぷりかかったフライドポテトをつつきながら、ボー・リバー・ピルスナーで喉を潤します。夫のお気に入りは、お皿からこぼれ落ちそうなハンバーガー。優柔不断な性格なので、ビールはいつも全種類注文します。6x6サンプラーのセットでは、大きなガラスの壁の後ろで作られているすべてのビールを味わうことができます。夏の暖かい日には、バンフ・アベニューを見下ろす2階のデッキで景色を眺めながらのんびり過ごします。
グリズリー・ポーのグルメツアー
バンフから東へわずか15分のキャンモアにあるレストラン、グリズリー・ポーは、家族の長年のお気に入りです。子供たちの定番オーダーはハンバーガーとビール。といってもこれはルートビアのこと。6種類ものユニークなビールを醸造するグリズリー・ポーは、蛇口から注ぐ自家製ソーダも作っています。
今から数年前、手狭になったのをきっかけに醸造所は自社ビルへと移りました。窓付き3階建ての大きなログキャビンのように見える建物は、実際には醸造所なのです。ここでは、金曜から日曜まで1時間のツアーを開催しています。ツアーに申し込み、醸造について学びながら、3種類の新しいフレーバーのビールを試飲しました。またぜひ訪れたいと思います。
カナディアン・ロッキーでは、どのパブに行っても楽しいひとときを過ごせます。