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ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプ・プログラムでアルバータ南部の先住民が行っていた巧妙な狩猟方法を再現

執筆者: Jennifer Allford

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Travel Alberta / Jeremy Fokkens

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あなたはオオカミの役をやりますか、それともバイソンの子供の役にしますか?よく考えておいてください。

何千年にもわたり、毎年秋になるとアルバータ南部の崖の上にブラックフット族のハンターたちが集まっていました。その目的はバッファローの大群を崖から突き落として仕留めるという巧妙な狩猟を行うためで、参加するハンターそれぞれが明確な役割を持っていました。

ここで話を現在に戻すと、ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプでその伝統的な狩猟の再現に参加するとなれば、オオカミの皮を羽織ってバッファローの群れを端から追い立てる動物の役を演じるか、はたまたバッファローの子供の皮をかぶって大草原を全速力で疾走し、バッファローを騙して誘導する役をやるのかを決めなくてはなりません。さて、あなたはどの役をやりますか? 

実際に私が最近の旅行でピスカン(アルバータのユニークな案内センターで行われるバッファロー狩りの再現)を体験したときは、主役ともいえるバッファローの子供の役は子供の参加者たちの手に渡り、約6,000年の間に崖から落ちた約10万頭のバッファローのように命を落とした不運な動物の役は他の参加者が演じることになりました。とはいえ、当時のバッファローのようにあなたが崖から落ちることはないので心配は無用です。

私たちは崖の下の安全で神聖な土地で動物の役を演じました。そこはバッファロー・ジャンプの時代にさまざまな部族出身の約500名のブラックフット族のハンターが集まっていた場所です。当時のハンターたちは野営地を築き、狩猟を待ち、バッファローが崖から落ちるとその肉を加工していました。ペミカンと呼ばれる長持ちするタンパク源もその加工品の1つです。ガイドのマーカス・ヒーリーは、「私の曽祖父はバッファローを追いかけ、この崖から突き落とすハンターでした。私もその血を受け継いでいるんですよ」と話してくれました。

1840年を最後にこの地でバッファロー狩りが行われることはなくなり、1981年にこの地域はユネスコ世界遺産に登録されました。私たちはヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプ案内センターの最上階まで上がり、そこから狩猟の舞台となっていた崖に登ってみました。その途中見かけた歴史を伝える小さな図が描かれたバッファローの皮には、「1771年不作法者たちがキャンプに入って来る」、「1879年バッファローが絶滅する」と記されていました。

この伝統的な狩猟はだいたい次のような手法で行われます。ちょうどよい風が吹き、バッファローが「たまり場」で草をむしゃむしゃ食べているとき、ハンターたちは植物や岩で「ドライブレーン」に目印を付けます。その中の2人がオオカミの皮を被って群れの後方をうろつきバッファローを怖がらせ、ドライブレーンへと追い込むと、ここで主役「バッファローランナー」の出番です。仔牛の皮をまとったバッファローランナーが危険を察知したかのように急に跳び出すと、リーダー格の雌の群れがバッファローランナーを追って走り始めます。ランナーはバッファローの皮を振っている人々の間を横切って逃げ出しますが、バッファローの群れはそのまま崖の上を走り抜け、しまいには崖の下に落ちてしまうという具合です。

その崖の下で、考古学者が9,000年前の矢じりを発見しています。2016年には、原形をとどめた1,600年前の炉が発掘されました。考古学者たちは1930年代に活動を開始しています。黒髪を束ねブルー・ジェイズのキャップをかぶったヒーリーは、「考古学者たちは私の曾祖父のところに来て『これは何ですか?あれは何ですか?』と質問攻めにしていたのですが、曾祖父は『まずは清めの儀式をしてからだ。ここは神聖な場所なんだ』とぴしゃりと言い、考古学者たちをムッとさせていたんですよ」とニヤニヤしながら話してくれました。

私たちが訪れたときも、心を清めるための煙を浴びる儀式を最初に行い、ティーピーの中にいる間はよそ者の存在をお許しくださいと長老が神に祈っていました。ヒーリーいわくティーピーは「史上初の移動住宅」なのだとか。ヒーリーは私たちに小さな矢じりを手渡すと、巨大なバッファローをかたどった標的に向かって槍を投げる方法を教えてくれました。私が的を大いに外してしまうと、再度やり方を教えてくれました。

狩猟道具を片付けると、小さな子供たちは動物の皮を手にして、満面の笑みで記念撮影をしました。誰もが顔に暑い陽差しを浴びて笑っている中、死にゆく運命にあるバッファローのふりをして真っ青な大空の下を走るなんて、なんだか自分も子供になったみたいだな……と、最後にそんなことを感じました。

主なアクティビティー
体験者