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野生動物ウォッチング

冬のアルバータ州のワイルドライフ・サファリで出会える素晴らしき野生動物

ジェレミー・クラスザス

Travel Alberta

Sep 26, 2017 - - この記事の所要時間:4分

<41>どうしたわけか、私は勘違いをしていました。ジャスパー国立公園の野生動物ツアーに参加するにあたり、自分の両親くらいの年齢の人が迎えに来ると思い込んでいたのです。</43>雪の降る土曜日の朝、私がホテルのロビーで待っていると、黒いひげを蓄えた若い男がクリップボードを手に入ってきました。彼はクラフトビール醸造所のロゴ入りニットキャップをかぶっていました。誰だろう、配達業者かな、と私は思っていました。

最初に、こう言っておかなくてはなりません。「すまない、ピート、私が間違っていたよ。50代の人が来ると思っていたのはフェアじゃなかった。ミレニアル世代が国立公園の動物について幅広い知識を持っていても不思議じゃない。今ならわかるよ」

<43>ピート・リモージュ(29歳)は、私が参加したサンドッグ・ツアー社の冬の野生動物観察ツアーのガイドでした。モントリオール出身のリモージュは、アルバータ州の起伏に富んだ山々に広がる公園と、そこに生息する動物たちに魅了されていました。この地域を象徴する動物たちは、カナダ中の人々の心の中で重要な位置を占めています。「カナディアン・ロッキーには、私が求めていたアドベンチャー、大自然、チャンスがありました」とリモージュは言います。



野生動物ウォッチング

コヨーテは、隣家のペットのジャーマンシェパードをもっとかわいらしくしたような動物に見えるかもしれません。しかし、アルバータ州の先住民が語る物語の多くでコヨーテがトリックスターとして描かれているのには理由があります。決して手は触れないように。冗談抜きで、よからぬ考えは捨てましょう。

写真:テリー・エルニスキ

コヨーテ

ジャスパーの町を出て東に車を走らせていると、リモージュはガイドとしての能力をすぐに発揮しました。私たちツアー参加者は気付いていませんでしたが、リモージュは、300mほど先にコヨーテがいると教えてくれました。小さな丘の頂上に座っていて、周りにはカラスが飛び交っていました。細長い鼻面と尖った耳を持つコヨーテは、いたずら好きにみえます。実際に、先住民族が語る物語にはコヨーテがトリックスター(神話や民話に登場するいたずら者)としてよく登場します。私たちが写真を撮る間、このコヨーテは暗い松の林を背に、しばらくポーズを取っていました。そこに、別の生物が現れました。リモージュは、コヨーテの頭上はるか高く、円を描くように飛んでいるハクトウワシのドラマチックな姿を解説してくれました。まるで自然ドキュメンタリー番組のワンシーンを見ているような体験でした。とうとう、コヨーテは駆け出して私たちの目の前の道を横切り、森の中に入って姿を消しました。


野生動物ウォッチング

斜面をよじ登ろうとした経験があれば、カナディアン・ロッキーの高所で動き回ることがどれだけ骨の折れることか、多少なりともおわかりでしょう。今度は、13kgもある雄羊の角をおでこにしばりつけて坂を上ってみてください。ビッグホーン・シープの大変さを身をもって体験できます。

写真:ニック・パライコ

ビッグホーン・シープ

ずっと上のほうに目をやると、くるんと曲がった角が特徴的なヒツジが、ハイウェイ沿いの崖の上に突き出た小さな石の上でバランスを取っている姿を確認できることがあります。ヒツジたちは塩鉱を探しに行っているのです。割れたひづめを持つビッグホーン・シープは、山登りのエキスパートです。あり得ないほどの急勾配もものとせず進んでいきます。途中立ち寄った場所の多くで、動物がよく見えるようにとリモージュがスポッティングスコープを用意してくれました。スコープを覗くと、ヒツジの背中の上に大きな白黒のカササギが満足げにとまっている姿が。リモージュによると、ヒツジの毛皮には鳥のえさとなる虫がいるため、鳥にとって好都合なのだそうです。私たちは、朝のエクササイズも行いました。岩のように硬く、重いヒツジの角を順番に回すこのエクササイズを、リモージュは「カナダ式ワークアウト」と呼んでいました(この角は重いものでは13kgにもなります)。


野生動物ウォッチング

冬眠シーズン中に「ジャスパーの帝王」に遭遇する可能性はありませんが、カナディアン・ロッキーでグリズリー・ベアのことを考えずに過ごすことはできません。ただ、クマの存在は自分の心の中に留めておくのが一番よいかもしれません。国立公園内の至る所に「クマに注意」の看板が設置されているのには、理由があるのですから。

写真:パークス・カナダ

グリズリー・ベア

冬でも夏でも、ジャスパーを訪れたらクマの姿を期待してしまうものです。それがたとえクマの冬眠の時期であっても。パークス・カナダが「ジャスパーの帝王」と表現するこの巨大な生物は、かつて北米の大草原を自由に歩き回っていました。少数ではあるものの、クマは現在も山岳地帯で生き延びています。その数はアルバータ州全体で約1,000頭、そのうちジャスパー国立公園にいるのは約110頭です。グリズリー・ベアは肉食動物とみなされていますが、実際は雑食で、摂取する食物の80~90%が植物です。このような食物を取りながらも、グリズリー・ベアは陸上の肉食動物としては北米で2番目に大きな動物ですが、最高時速55kmで走ることができます。体の大きさにだまされてはいけません。


野生動物ウォッチング

エルクのオスの求愛の鳴き声を聞くと、優雅で気高いというエルクのイメージが少し変わってしまうかもしれません。ジャスパーのあるガイドは、その声を「ボア(獲物を絞め殺す大蛇)がラッパを吹き鳴らしている」ように聞こえると表現しています。

写真:コリーン・ガラ

ワピチ

大きな枝角を持つワピチ(別名エルク)は、堂々たるその姿が印象的な動物です。ところが、ワピチは外見からは想像しがたい声を発します。高音の哀れっぽい鳴き声と、オスのエルクの求愛の声は、リモージュに言わせれば「ボア(獲物を絞め殺す大蛇)がラッパを吹き鳴らしている」ようなのだとか。「とにかくひどい。身の毛がよだつような雄叫びですよ」。ジャスパー市外の脇道で、私たちは約30頭のワピチの群れに出会いました。ラッキーなことに、私たちが訪れた時期は、ワピチの角が抜け落ちる冬の終わりでした。私たちが見かけたあるオスのワピチは、最近片方の枝角が抜けたようで、残っているもう1本の枝角も落とそうと頭を振る様子が滑稽でした。左右対称ではないのが落ち着かないのだろうとリモージュは言っていました。「今も昔もエルクが好きです。一番個性的ですから」とも。


野生動物ウォッチング

エルクやシカなど、きりっとした姿の有蹄動物と比べると、ムースはやや不恰好で間の抜けた姿をしていることは否めません。でもだからこそ、カナダ人はムースに愛着を感じ、特別な動物だと考えているのです。

写真:ジャスパー観光局

ムース

シカ科最大の種であるムースは、最もカナダらしい動物と言っても過言ではないでしょう。1979年に公開された『ログ・ドライバーズ・ワルツ』は、一部の世代のカナダ人なら誰もが子供時代に見たことがある懐かしの短編アニメーションです。この作品の中に、格子縞の服を着たログドライバー(丸太乗り)が、1頭だけで川の中にぽつりとたたずむムースの上を器用に飛び越えるシーンが出てきます。科学的に見て、そのイメージはムースの特徴を正確に表しています。ムースは水辺に立っていることが好きで、多くの意味で個人主義です。ワピチとは異なり、群れで行動するよりも単独行動を好みます。リモージュがさらに最近の科学的発見について教えてくれたところによると、ムースの頭にあるヒトの掌のような形をした枝角は、繁殖期に力を誇示するためだけにあるのではなく、湖や森から聞こえてくる音を拾うという一種の補聴器のようなはたらきもしているのだそうです。


これまでご紹介してきた野生動物は、ジャスパーで見ることができる種のほんの一部に過ぎません。アルバータ州全域で、大草原、森林、山岳地帯を歩き回っている魅力的な動物の姿を多く見ることができます。バンフ国立公園では最近バイソンが復活しました。目をよく見開いて、雪の中のクズリの足跡を探してみてください。彼らもここに棲んでいます。ブラック・ベアは、親戚に当たるグリズリー・ベアとともに山を動き回っています。カンジキウサギが道路を横切って突進していたら、その近くにリンクスがいるはずです。ビッグホーン・シープの姿が見える崖の上では、マウンテン・ゴートをよく見かけます。それに加えて、クーガーもオオカミと同じように森の中をうろついています。野生動物に出会いたかったら、とにかく目を皿のようにして探すことです。


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